人材を生かす社長対談シリーズ
株式会社 牧田修一代表取締役社長
牧田修一代表取締役社長
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武原誠郎社長
技術力50% 人柄50%で人材を評価 ユーザー直取引中心で売上100億円突破
優秀な人材を獲得する方法は「育てる」「引き抜く」「募集する」のいずれかしかない。だが中途採用の募集をかけても必ずしも要求に見合う人材が集まるとは限らない。特に慢性的な人材供給不足にある情報サービス業界ではその傾向が顕著だ。プロジェクトマネージャやコンサルタントクラスの上級エンジニアを獲得するには“引き抜き”という荒業も時に必要となるのだ。エグゼクティブサーチのパイオニア企業であるイムカ(東京都港区)武原誠郎社長は、今回、創業以来新卒採用と人材を“育てる”ことに全精力を注いできた独立系SIer、日本ビジネスシステムズ(東京都港区・JBS)牧田幸弘社長の“人材感”に迫った。
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「下請けはやらない」IBM出身社長の決心

武原氏

御社は独立系の未上場企業ながら社員400名、売上100億円の立派な企業に成長されている。何が成長の原動力となったのでしょう。

牧田氏

別に急成長したわけではないんですよ。年々少しずつ売上を伸ばしてきただけです。社歴はもう17年になりますから。

武原氏

主力の事業はシステム開発ですか。

牧田氏

情報システムの基盤構築が主業務です。ネットワークの構築からシステム開発まで引き受けます。
システムの運用・保守も行いますが、基本的に下請け仕事をしない点が当社の特徴でしょう。ほとんどの取引はユーザー企業と直接やらせてもらっています。

武原氏

外資系の企業がお取引先に多いようですけど、牧田さんの出身であるIBMと関係はあるのでしょうか?

牧田氏写真
牧田氏

直接は関係ありません。私はIBM時代、中小の製造業担当でしたから。

それにしてもIBMは本当にいい会社でした。成績を上げると正当な評価が得られるし、みんなプライドを持って仕事をしている。
でもそのIBMで作った人脈を生かしてビジネスをしよう、と考えたことはありませんでした。自分で新しい分野を切り開いてみたいと思ったから独立したのです。IBM時代はオフコン(AS/400)を売っていました。しかし独立してからはそれまで経験していなかったパソコンネットワークを外資系企業中心に展開してみようと思ったのです。

武原氏

どうやって人を集められたのですか。

牧田氏

知り合いの紹介で未経験者でもコンピュータに興味があるという人を採用してどうにか10人ぐらい集めました。出来たばかりの小さな会社に優秀な技術者が来るはずもないので、ガテン系の求人誌に広告を打ったりして採用もしましたね。未経験者を一から教育していくことが最初の仕事でした。嬉しいことにそうして育てた創業当時の社員が今でも、幹部として残っているんですよ。

武原氏

未経験者ばかりを集めたとは驚きですね。

牧田氏

実は当社のほとんどの技術者が未経験者だった者たちです。あるとき知り合いの経営者に「本当に会社を伸ばそうと思ったら新卒を育てないと駄目だよ」とアドバイスされましてね、設立4年目の94年から新卒採用を開始したのです。それ以降はひたすら新卒者を採用して、教育する毎日です。今年は70名採用しました。来年は80名入社する予定です。ほとんどの資金を新人の教育投資に回すんです。だから利益率が上がらないんです。

牧田氏&武原氏写真
武原氏

70名とは随分多いですね。社内に活気があるのも若さのせいですか。

牧田氏

400名の社員の平均年齢は28歳です。確かに若いこともありますけど、社内の雰囲気が明るいのは多分、個々の人間性にあるんじゃないでしょうか。

一流大学の学生を 泣く泣く不採用に!?

武原氏
武原氏写真

何か独自の採用基準がありそうですね。

牧田氏

その通りです。
当社では人材の評価を行うのに技術力だけを物差しとはしません。人間的魅力も測ります。
それは仕事の現場で発揮されることもあるだろうし、仕事を離れたときに発揮されるかもしれない。
簡単に言うと「お客さんに気に入られる人材かどうか」ということが一つの目安になります。
言動や顧客対応、時間に対する認識やお客さんの評判などを総合して人柄を分析し、技術力50%、人間性50%の評価を行うようにしています。それを徹底するために一流大学の理工学部出身の優秀な学生を、人間的魅力が少ないという理由で泣く泣く不採用にしたこともありました。

武原氏

でもそうすることでJBSのカラーができたわけですね。

牧田氏

最近では「JBSらしい社員だね」なんて言われますよ。技術力の高さより、キャラクターを評価しての言葉ではないでしょうか。

武原氏

採用基準、評価方法は分かりましたけど、教育も同じ方向性で行っているのですか。

牧田氏

全体ミーティングを定期的に行っているんですが、そのときにはお客さんに喜んでもらえる“サービス”を提供しなくてはならないことを常々言っています。専門技術を磨くだけでは駄目だと。

武原氏

その成果が出てきているわけですね。

牧田氏

ロゴ実は大手広告代理店の1社とはもう14年も直接お取引きさせてもらっているのですが、信頼関係が出来上がったのは、こうしたサービスの積み重ねが大きいんだと思います。あるときそのお客様の所でメールシステムの移行に不具合が発生してネットワークに繋がっている1000台のPCが2、3日止まりそうだ、という話を聞きつけてきたんですよね。それは当社が絡んだ仕事ではなかったんですけど、急を要する話だったので「ウチが手伝いましょうか」と話をつけて、その日の午後から当時の全エンジニア50名ほどを現場に送り込んで、1000台のPCへのソフトウェア導入と旧サーバへの接続作業に取り掛かったのです。「午後、会議がありますんで」と他の取引先には半日早く仕事を切り上げさせてもらってね。結局1日でユーザのメール環境を復旧することができて、お客様からは本当に感謝されました。その結果強い信頼関係を築くことができたのだと思います。

武原氏

なるほど。牧田さんの教育のたまものですね。

牧田氏

社員はお客様のために良くやってくれています。しかし、教育だけではいかんともしがたい問題がありまして。やはり若い社員ばかりなので、プロジェクトを統率する経験豊富なマネージャが不足しているのです。やはり一回り大きく成長するには経験ある人材が必要になってきます。

武原氏

では、即戦力人材の紹介を通じて、お役に立ちましょう。

牧田氏

是非ともよろしくお願いします。

 

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