バルデナフィルの副作用

バルデナフィルの副作用について、添付文書に記載された「11.2 その他の副作用」をもとに、発生頻度別に主な症状の特徴と背景、注意点をわかりやすく解説します。


バルデナフィルの副作用(11.2 その他の副作用)


1. 発現頻度1%以上(比較的多い副作用)

  • ほてり(顔の紅潮) 10.6%
    • 血管拡張作用により顔や体が温かく感じる症状。PDE5阻害薬共通の作用で、多くは軽度。
  • 頭痛 11.7%
    • 頭部の血管拡張により起こりやすい。副作用として最も多く報告される。
  • 心悸亢進(動悸)
    • 心拍数の増加感。バルデナフィルによる循環動態変化の影響と考えられる。

2. 発現頻度0.1〜1%未満(やや稀な副作用)

  • 循環器系
    • 頻脈、高血圧
  • 精神神経系
    • 不眠症、異常感覚(しびれなど)、傾眠(眠気)、眩暈、感覚鈍麻
  • 肝臓
    • 肝機能検査異常、γ-GTP上昇(肝障害の可能性を示唆)
  • 呼吸器
    • 副鼻腔うっ血、呼吸困難、鼻出血
  • 筋骨格系
    • 背部痛、筋肉痛
  • 皮膚
    • 紅斑、発汗、そう痒(かゆみ)、光線過敏性反応(太陽光で悪化する皮膚反応)、発疹
  • 消化器
    • 腹痛、口内乾燥、下痢、胃炎、嘔吐、胃食道逆流症
  • 感覚器
    • 視覚異常(ぼやけ、色覚異常など)、結膜炎、霧視、羞明(まぶしさ)、彩視症(色が見える症状)、眼痛、耳鳴、流涙
  • その他
    • CK(クレアチンキナーゼ)上昇(筋肉障害の指標)、灼熱感(熱感)、無力症、胸痛、異常感覚、勃起増強(痛みを伴うこともある)

3. 発現頻度0.1%未満(非常にまれな副作用)

  • 循環器系
    • 失神、低血圧、顔面浮腫、心筋虚血、心筋梗塞(因果関係は明確でないが注意)
  • 精神神経系
    • 不安、緊張亢進、一過性全健忘(一時的な記憶障害)
  • 消化器
    • 嚥下障害、食道炎
  • 筋骨格系
    • 関節痛、頸部痛
  • 感覚器
    • 緑内障(眼圧上昇による視神経障害のリスク)
  • その他
    • インフルエンザ症候群、射精障害、アナフィラキシー反応(重篤なアレルギー反応)、持続勃起症(4時間以上持続する異常な勃起)

4. 頻度不明(報告はあるが頻度が特定できない)

  • 循環器系
    • 起立性低血圧(立ち上がったときの急激な血圧低下)、狭心症
  • その他の頻度不明は特に記載なし

副作用の背景と注意点

  • 血管拡張作用が主な原因:ほてり、頭痛、動悸、鼻閉などは血管拡張に伴う一般的な副作用です。軽度~中等度が多いですが、症状が強い場合は医師に相談が必要です。
  • 循環器系の重篤な症状に注意:心筋虚血や心筋梗塞の報告があり、これらの症状(胸痛、強い動悸、失神など)が現れた場合は直ちに医療機関を受診する必要があります。
  • 視覚障害:バルデナフィルは視覚に影響を及ぼすことがあり、色の見え方がおかしい、視界がぼやけるなどの症状が出た場合は速やかに使用中止・受診してください。
  • 持続勃起症(プリアピズム):4時間以上の持続する勃起は組織障害の危険があるため緊急対応が必要です。
  • アナフィラキシー反応:まれですが、重篤なアレルギー反応の可能性があるため、発疹、呼吸困難、顔面浮腫など急な症状が出た場合は緊急処置が必要です。

まとめ

頻度 主な副作用例 注意点
1%以上 頭痛、ほてり、心悸亢進 軽度が多いが継続する場合は相談
0.1〜1%未満 頻脈、高血圧、不眠、肝機能異常、筋肉痛、視覚異常 症状悪化時は医師へ
0.1%未満 失神、心筋梗塞、一過性健忘、持続勃起症、緑内障 重篤な場合は緊急受診
頻度不明 起立性低血圧、狭心症 意識障害や胸痛時は速やかに医療機関受診

 

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