バルデナフィルの薬効薬理

バルデナフィルの薬効薬理、特に作用機序について詳しく解説します。


バルデナフィルの薬効薬理:作用機序(18.1)

1. 勃起の生理学的メカニズム

  • 陰茎の構造
    陰茎には「海綿体平滑筋」という筋肉と、それに関連した「小動脈」が存在します。
    勃起はこの海綿体平滑筋の弛緩(筋肉がゆるむこと)と、それに伴う血流の増加によって起こります。
  • cGMPの役割
    勃起の過程では、神経からの刺激により、海綿体内の平滑筋に「cGMP(サイクリックグアノシン一リン酸)」という物質が増加します。
    このcGMPは平滑筋を弛緩させ、小動脈が拡張して血液が陰茎に流れ込みやすくなり、勃起が促されます。

2. cGMPの調節メカニズム

  • 合成と分解のバランス
    • cGMPは「グアニル酸シクラーゼ」という酵素の働きで合成されます。
    • 一方、cGMPは「ホスホジエステラーゼ5(PDE5)」という酵素により加水分解(分解)されます。
  • この二つの酵素のバランスによりcGMPの濃度が調整され、平滑筋の収縮と弛緩が制御されています。

3. バルデナフィルの作用機序

  • PDE5阻害作用
    バルデナフィルは「PDE5」を選択的に阻害します。
    これにより、cGMPの分解が抑制され、cGMPの濃度が増加します。
  • cGMP増加の効果
    増えたcGMPは海綿体平滑筋をより強く弛緩させ、陰茎への血流が増加し、勃起が促進されます。
  • 結果として
    勃起不全の患者でも、神経からの性的刺激がある限り、バルデナフィルは勃起を助ける効果を発揮します。

ポイントまとめ

項目 説明
勃起の鍵物質 cGMP 平滑筋を弛緩させるメッセンジャー分子
cGMPの合成 グアニル酸シクラーゼによる
cGMPの分解 PDE5(ホスホジエステラーゼ5)による
バルデナフィルの作用 PDE5を阻害し、cGMPの分解を抑制
結果 cGMPが増加し、海綿体平滑筋の弛緩と血流増加で勃起を促進

 

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